「目標など、なくてもいい」「いまできることを真剣かつ丁寧にやっていく」 『嫌われる勇気』を読んで

仕事・転職

こんにちは。雇用期間満了となる3月31日が迫りくる中、せっせと求職活動中の47歳、JBです。

今回は、『嫌われる勇気』を読んで心に残ったところを紹介する第3回目(最後)の投稿です。

40代近くなってからやりたいことを見出しそれに向かって少しずつ進んできたつもりでしたが、このところ自分は何をどうしていきたいか目標を見失っています。

そんな時『嫌われる勇気』を読み、その中で哲人がいう「目標など、なくてもいい」「いまできることを真剣かつ丁寧にやっていく」という言葉に元気づけられました。

ここでは、なぜこれらの言葉に元気づけられるのか、私がやりたいことに向けて歩んできた道の概要とともに記したいと思います。

同じような状況に行き詰まる方の励みになれば嬉しいです。

37歳頃まで:転職の多さに引け目を感じてきた

私は転職回数が多いです。

退職理由は、れっきとしたものもあれば情けないものもあります。

求職活動では転職の多さがネックとなって書類選考で落とされたのかなということもありましたし、なぜ転職が多いのか面接で質問されたこともあります。

世の中には学校を卒業してから定年まで一か所で勤めあげる方がたくさんいらっしゃいます。

何があっても辞めないことがベストとは言いません。

辞めたくても辞められない事情がある場合もあるでしょう。

それでも私はそんな方々を心から尊敬します。

転職活動をするたびに自分の履歴書や職務経歴書に書く内容が増え、ため息をついてきました。

仕事は主に事務職。

学生時代に好きで得意だった英語を使って仕事をしたいという気持ちは漠然とありましたが具体的に何をしたいか深く考えず、なんとなく英会話スクールに通ったりTOEICを受けたりしつつ、とりあえず生活のために事務職を続けていました。

38歳:少し夢らしきものができて、動き始めた

38歳の時に結婚し、夫の住む関東地方に引っ越すことになりました。

夫は私が英語を使って仕事をしたいことを知ると、そういう方向で就職活動をした方がいいと薦めてくれました。

この頃、私のぼんやりとした「英語を使って仕事がしたい」という気持ちに少し具体性ができてきていました。

翻訳に興味を持ち始めたのです。

きっかけは、結婚前に通っていた英会話スクールの講師(オーストラリア人)に簡単な日英翻訳を頼まれたことです。

「祝福メッセージの書かれた素敵な出産祝いカードを買った。出産した友人に渡したいがメッセージが日本語で書かれているので、英語に翻訳してほしい」というのです。

文法構造も背景となる文化も違う言語を、なるべく忠実に別の言語に訳して、それを喜んでくれる人がいる。両者のコミュニケーションの手助けができる。

翻訳といえないほどのちょっとした翻訳体験でしたが、とても深く印象に残った出来事でした。

楽しい!と思いました。

何でもいいから英語を使う仕事に就いて英語に接する機会を保ち生活費を稼ぎつつ、翻訳の勉強を始めるという方針でいくことに決定。

派遣会社から英語を使うお仕事とそうでないお仕事を紹介されて働きながら、翻訳スクールで学習を始めました。

40歳:フリーランス翻訳者として翻訳会社に登録

翻訳スクールが指定するレベルに達したため、その翻訳スクールの系列翻訳会社にフリーランス翻訳者として登録することができました。

トライアルを受けて合格し、すぐにお仕事を受注することもできました。

うれしくてたまらず、翌年の年賀状には意気揚々と翻訳者になれたことを書いて皆に知らせたものです。

しかしながら得意分野も専門分野もない私は単価の低い簡単な案件しか回ってこず、なかなか思うように収入は伸びませんでした。

43歳:地元への引っ越し、そして翻訳者として働くことを一旦断念

そんな中、夫が私の実家の近くに移住しようと転職活動を始め、とある会社から採用されました。

この引っ越しを機に私は働き方を修正することにしました。

生活のために会社勤め(英語を使う仕事)をし、在宅翻訳は副業として続けるというスタイルです。

これが甘かった…。

慣れない仕事で毎日疲れ果て帰ったら家事をやるので精一杯で、帰宅後や週末に副業をするなど到底無理でした。

職種は通訳・翻訳と一般事務でしたが、通訳・翻訳といってもほとんどがメールのやり取りの翻訳。

それ以外の仕事には、重い物を持って運んだり、自分ほどもある大きなものを抱えて何度も階段を行ったり来たりしたり、どんな悪天候でも50m以上離れた倉庫まで走ったりといった肉体労働もあったので、鍛えていない40代の私にはなかなかきつい環境でした。

ここにいてもそれほど英語のスキルアップは見込めないし副業の翻訳もできない。

私は転職活動を再開しました。

車で40分ほどのところに、外国人が多く働く会社があります。有名な大手企業です。

そこからはさまざまな職種の求人(正社員、契約社員、パート等)が時々公開されます。

通勤が大変にはなりますが、夫に背中を押されたこともありそこにチャレンジしてみることにしました。

45歳:ステップアップのための転職。目標を失った今

というわけで、できそうな職種には片っ端から応募し、現在の職場に契約社員として採用されたというわけです。

外国人が多い職場だけあって英語スキル(読む・書く・聞く・話す)はまんべんなく使う機会に恵まれました。

仕事量の多さと難易度の高さに辛くて何度か辞めそうになりましたが、「いつかこの苦労が役に立つ日が来る」「契約期間だけの辛抱」と言い聞かせてヒイコラ言いながら頑張りました。

もう履歴書に「自己都合退職」という言葉は増やしたくなかったというのもあります。

ヒイコラしつつも、心の中には私はこの仕事を終えた後は何をしたいんだろうというモヤモヤとした疑問が常にありました。

以前は翻訳者になりたいという目標がありましたが、すっかり翻訳から遠ざかった今、正直その気持ちは薄れてしまっています。

遠ざかった程度で諦めるなら、所詮その程度の気持ちだったのか。自分でもよく分かりません。

求人サイトを見ていて「翻訳」という単語を目にすると相変わらず気持ちは沸き立つのですが…。

『嫌われる勇気』を読んだのは、そんな時でした。

「目標など、なくてもいい」「いまできることを真剣かつ丁寧にやっていく」

『嫌われる勇気』の中で哲人は、こういいます。

 こう考えてください。人生とは、いまこの瞬間をくるくるとダンスするように生きる、連続する刹那なのです。そしてふと周りを見渡したときに「こんなところまで来ていたのか」と気づかされる。

 バイオリンというダンスを踊ってきた人のなかには、そのままプロになっている人もいるでしょう。司法試験というダンスを踊ってきた人のなかには、そのまま弁護士になっている人もいるでしょう。 ~中略~ もちろんそれぞれ別の場所に行き着くこともあります。でも、いずれの生も「途上」で終わったわけではない。ダンスを踊っている「いま、ここ」が充実していれば、それでいいのです。

『嫌われる勇気』P266より

ダンスにおいては、踊ることそれ自体が目的であって、ダンスによってどこかに到達しようとは誰も思わないでしょう。無論、踊った結果としてどこかに到達することはあります。踊っているのですから、その場にとどまることはありません。しかし、目的地は存在しないのです。

『嫌われる勇気』P267より

哲人の話を受けて青年は、自分には夢も目標も見つかっておらず、踊るべきダンスがわからない、と訴えます。

わかる!私もそう!

哲人は諭します。

目標など、なくてもいいのです。「いま、ここ」を真剣に生きること、それ自体がダンスなのです。深刻になってはいけません。真剣であることと、深刻であることを取り違えないでください。

『嫌われる勇気』P274より

「人に嫌われることを恐れるなという話でしょ。だいたい予想はつくけど、どれ読んでみるか」くらいの気持ちで読み始めたのに、予想外のポイントで私の悩みに突き刺さる内容でした。

青年と同じく夢も目標ももたない私が、今するべきこと

考えた結果、以下の2点になりました。

1. 自分がやりたい仕事、スタイル(正社員か否か、通勤か在宅か、etc)、待遇などの明確化
2. 仕事にかまけてやれていなかった断捨離、整理整頓

めぼしい仕事を見つけては応募し「残念ながら採用をお見送り」される、あるいは返信すら来ない。

がっかり。

求人サイトを見ても良さそうな求人が全然ない。

焦る。

「やりたい仕事」ではなく「できそうな仕事」に応募した方がいいんじゃないか?と気持ちが揺らぐ。

日々この繰り返し…。

1については、そもそもの自分の方針をしっかりと見極め、スケジュールを組む必要がありますね。

2について。私たち夫婦は昨年マイホームを建てました。

生活に困らない程度に片付いてはいますが、優先順位の低いところは後回しとなっています。

片付いていないところを目にするたびストレスを感じていましたが、これも時間がある今がチャンス。しっかり腰を落ち着けて片付け、余計な心理的ストレスを早めに無くしたいと思います。

これらの一つ一つに真剣に、丁寧に取り組む!

ブレてきたら、また『嫌われる勇気』に立ち返ろうと思います。

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